【宗教?】早稲アカの合宿っていく必要あるの???【講師裏話】

すでに今年の合宿は終わってしまいましたが、今回は早稲田アカデミーの合宿についてお話ししていきたいと思います。

とはいえインターネットで調べれば、色々と情報は出てくるとは思うので、講師として体験した裏話等も含めて述べていきます。
この話を読むと、早稲アカの合宿がどんなものか、そして行く必要があるのか、についてわかるようになっています。
ぜひ最後までお付き合いください。

早稲アカ 合宿

早稲田アカデミーの夏季合宿とは

言わずもがな日本最大級かつ早稲アカ名物の勉強合宿です。
その参加人数はなんと12000人越え。この合宿で相当儲けてますね笑
場所はもともと志賀高原で全てを行なっていましたが、数年前から数が増えたため苗場との2会場体制で行われています。
もものすけは志賀高原にしか行ったことはありませんが、あたり一帯のホテルを全て貸し切るため、どこのホテルも「早稲田アカデミー夏季合宿」と書かれた横断幕が掲げられていて、ちょっと異様な光景です。

小4・中1の夏季合宿

小4と中1に合宿に関しては、早稲アカの合宿への「慣れ」を促す部分が大きいです。
日程は3泊4日。金額は7万円弱くらいです。決して安くない額です。
小4は勉強が15時間ほどで、群馬サファリパークや魚のつかみ取り、BBQなど楽しいイベントが盛りだくさんです。
中1は勉強が18時間ほどで、早稲アカトライアスロンというほぼ遊びのイベントがあります。
基本的には世間がイメージするようなガツガツした勉強合宿とは異なりますが、時折ピリピリするような様相を見せ、「早稲アカ合宿」のイメージが顔を出します。

小5・中2の夏季合宿

小5と中2の合宿は、かなり勉強よりの「ガチ勉強合宿」になります。
日程は3泊4日。金額は7万円弱と小4中1の合宿とあまり変わりません。
小5は勉強が20時間ほどで、特にイベントはありません。
中2は勉強が18時間ほどで、オリエンテーリングという野外をお散歩するイベントが含まれます。
来年に控える受験生活に向けて、かなり一生懸命勉強させます。いわゆる「早稲アカ合宿」を体験してもらい、来年度の合宿にも抵抗感を少なくすることを一つの目的にしています。

小6・中3の夏季合宿

小6と中3の合宿はひたすら勉強です。THE早稲アカを体現します。
日程は4泊5日。金額は90000円弱とさらに高額になります。
小6も中3も最後の夜のキャンプファイヤー以外はひたすら勉強です。2〜4日目は1日10時間以上勉強です。
休憩時間に関しても、ほぼ全ての生徒が自習をしています。本当に睡眠と食事以外は勉強です。成績上位者が集まるホテルになると、食事会場にも自習道具を持ち込み、早く食べ終えた生徒は勉強を開始しています。
講師も寝不足と緊張感から基本的に目が血走っています。

 

早稲アカの合宿で得られるもの、効果について

さて、早稲アカの合宿の概要はご理解いただけたかと思います。
しかしながら、早稲アカの合宿でどんなことが学べるの?といったことがわからないと、気軽に7〜9万円のお金をポンと出せる方はいないはずです。
早稲アカ側には当然合宿においても目標数値があり、何人合宿に行かせたら達成!と決められているため、先生たちは生徒を合宿に行かせようと必死です。
強烈なプロモーションを強いられることもあるので、しっかりと内容や価値を理解した上で、今の自分(自分の子ども)に必要なものなのかを判断してほしいと思います。

学力は上がる?

はっきり言います。学力や偏差値がこの合宿で劇的に変わる、といった可能性は極めて低いです。
とはいえ、単元をかなり絞って授業をするため、その単元に関してしっかりと定着するチャンスがあることも事実です。
また、合宿では非常に重要な単元ばかりを扱うためその単元が強くなれば後々有利に働くことがあります。
ここに期待して合宿に行かせるのであれば、この期間に家庭教師などをつけて苦手単元だけ学習した方が効率がいいかもしれません。

モチベーションはあがる?

メインはこれです。合宿に行った生徒の7割くらいが合宿後に目の色を変えて勉強を始めます。
他校舎の先生と生徒に触れていい影響を受けて帰ってくる、というわけですね。
合宿から帰宅すると、一目散に勉強机に向かい合宿の復習を始めたため、親御さんがびっくりされた、なんてのはよく聞く話です。
いわゆる合宿マジックといわれるもので、先生としてはこれを目標に熱い授業を演出します。
意外なのは「熱血指導」とかが嫌いそうなクールな反抗期真っ盛り少年がこの魔法にかかって志賀高原から帰ってきたりすることです。
ただ、残念ながらこの効果の継続時間には個人差があり、受験までそのまま突っ走っちゃう子もいれば、1週間程度で覚めてしまう子がいるのも事実です。
あとは校舎の先生に期待しましょう。

その他にはどんな効果がある?

普段と違う先生に触れることで、今までになかった考え方を手に入れることができます。
これはかなり大きいことだと思います。
いい先生、成績を伸ばす先生、といわれる人はたくさんいますが、誰一人として全く同じ授業ということはあり得ません。
様々な教え方があるため、こっちの方がわかりやすい!と思えることもたくさんあるはずです。
また、勉強の仕方や効果的な暗記方法なんかも合宿ではどんどん教えてもらえるため、
今後の勉強の財産になるような経験ができることがあります。

受験学年以外の合宿はどんな効果があるの?

実はもものすけは受験学年の合宿にしか参加したことがないため、あまりイメージができていないというのが現状です。
しかし、一つわかることは、いきなり受験学年の勉強合宿に来るとその熱気や講師のテンションにびっくりします。
合宿時の先生たちはいつものテンションの3倍です。そうするように指示を受けています。
したがって、こういうことに慣れておくというのは、先々の受験学年での合宿のために必要かもしれません。
また、集団生活や、長い勉強時間を体験できるというのもメリットですね。
受験学年でなくとも合宿マジックにかかって帰ってくる子も一定数いるのも事実ですので、意外と効果は高いのかもしれません。

 

講師として体験した裏話

ここからは、実際に合宿にいった先生しかわからない裏話です。
ちなみに生徒に「合宿に行くと50万くらいもらえるの???」と聞かれたことがあります。
もちろんはっきりした数値は答えられませんが、全然もらえません。笑
でもそれくらいお給料があってもおかしく無いくらい過酷ですし(特に受験学年は。)、生徒にもその過酷さは伝わっているということですね。

どんな先生がいるの?事前の準備は???

社員は原則参加必須です。一方でアルバイトは立候補制のため、基本的にやる気のある講師しかいません。
ただ、毎年人手は足りていないため、一度不参加を表明しても、参加してくれと頼まれてしぶしぶ参加するような人もいます笑
全てが優秀な先生かというと残念ながらそんなことはありませんが、受験学年の成績上位者が集まるホテルに関しては、さすがに優秀な先生が揃っています。
事前準備に関しては、ホテルによってまちまちなようです。一度全講師が集まる会議が、あるホテルにて開催されますが、それ以外はホテル単位でバラバラです。
ちなみにもものすけのホテルは、受験学年の最上位のホテルだったため、超ガチでした。
休みの日に何度も集まり、授業のすり合わせから教材の作成まで行っていました。

先生が先生をフルボッコ???

「お前そんなんで、生徒の安全守れんのかよ!!!」
お風呂の時間に脱衣所付近で生徒と雑談していた講師にホテルの責任者の先生が大声で放った言葉です。
ちなみに胸ぐら掴んでました笑
ただ、実はこれ台本通りの演出です。
「大人の本気」を生徒に見せつけることで生徒の気持ちを動かすことを目的にしたものです。
かなり昔の話なので、最近はあまり聞かなくなりましたが、どうやらやっているとこはやっているようで、ある種伝統行事にもなっていました。

先生の睡眠時間ぶっちゃけます。

先に断っておきますが、これはもものすけの参加した受験学年の最上位ホテルでのことなので、全てのホテルに当てはまることではありません。
普通に6〜8時間寝れることもあるそうです。
が、もものすけは平均2時間睡眠でした。。。かなり過酷です。
生徒の就寝後もやることはたくさんあります。
見回り、講師ミーティング、学習手帳へのコメント記入が主なものです。
特に学習手帳へのコメント記入がハードで、100名を超える自分の生徒のコメントを全て読み、一人一人にコメントを返していました。
とにかくこれに時間がかかってしまい、私はほとんど寝ることができませんでした。

例の盗難事件のお話

2015年の中3の合宿において、生徒316人の財布やスマホが入った貴重品の袋が丸々盗難されました。
ニュースでも連日報道されていたため、ご存知の方も多いと思います。
実はもものすけはこの時中3の合宿に参加していました。ホテルは違ったのですが、特殊な対応が増え本当に大変な思いをしました。
今でこそ犯人は捕まりましたが、当時は早稲アカの内部の犯行説が多く聞かれました。
もものすけとしては、これは防ぎようが無かったと思ってます。
ちなみに合宿スタッフの犯行は100%不可能と断言できます笑
そんな余裕皆無です。

 

もものすけが感動した話

最後に、合宿でもものすけが涙してしまった話があるので、お伝えしたいと思います。
私のホテルでは毎朝ラジオ体操の際に、立候補制で生徒に決意表明をしてもらっていました。
300人近い他人の前で、自分の決意を述べるというのは非常に勇気がいることで、挙手をする生徒は本当に尊敬します。
そこで最終日の朝に挙手をしてくれた女の子の話です。

「私は、この合宿の数日前に大好きなおじいちゃんをなくしました。合宿に来るとおじいちゃんの告別式にはでれません。だからこの合宿に来るかどうかすごく迷いました。でも両親が行ってこいと背中を押してくれたので、結局参加することにしました。今はまだこの選択が正しかったのかはわかりません。でも、来年の3月に合宿に参加したことは正しかったと胸を張っておじいちゃんに報告をするために、この合宿を意味のあるものにします。私は絶対に○○高校に合格します。」

今思い出してもうるっときます。
多分、「今は合宿にきてよかったと思ってます。」と言われていたらここまでの感動はなかったような気がします。
この合宿で終わりじゃない。第一志望の受験のその日まで、おじいちゃんのためにも頑張り続ける、という彼女の熱い決意にこそ胸を打たれたのです。

それぞれが様々な思いを持って合宿に参加してくれています。
適当なことはできない。と改めて先生たちにも痛感させてくれる決意表明でした。

 

【まとめ】結局合宿は行くべき?行かないべき?

長くなりましたが、結局早稲アカの合宿は行くべきなのか。まとめます。
合宿はぜひ参加してください。きっとお支払いいただいた金額以上の価値が提供できると思います。
それだけいいものになっています。
ただ、受験学年以外に関しては、もものすけ自身が参加したことがないため、適当なことはいえません。
いずれにしても、塾の先生の言うことを鵜呑みにせず、しっかりと情報収拾をし、最終的には自分の子どもの現状も踏まえて判断するというのが賢明だと思います。
自分の子どもの中に「勉強に対する甘え」がある、と感じているならば早稲アカの合宿で根性を叩き直してもらうのがいいと思いますよ!