【もものすけ国語塾】読解編⑦ 「論説文の具体的解法2 」

さて、【もものすけ国語塾】読解編 第七章「論説文の具体的解法2」です。

もものすけ
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途中から来てくれた人は、一章からみてね!

【もものすけ国語塾】読解編 「はじめに・・・」

さて、前回は、

指示語問題、脱文挿入問題、空欄補充問題について説明いたしました。

この章では、傍線部への解釈問題、整序問題、記述問題について、

アプローチの方法を伝えていきたいと思います。乞うご期待!

 

傍線部への解釈問題へのアプローチ

傍線部への解釈問題へのアプローチ

①傍線部を含む一文を解析(曖昧な表現を分析せよ!)

②前後の文脈を理解(文脈の中での位置づけを確認)

③類比表現の発見(具体化された箇所を把握)

さっきサンドイッチマンのくだりで傍線部の解釈問題は例に使いましたね。ホームランのやつです。

ではもういっちょ例をあげてみましょう。今回はちょっと難しいよ!

ヘーゲル以前の哲学は、観念論的に理想を追求し過ぎていました。これに対してヘーゲルは、より現実を直視しようとしていました。ドイツ観念論者たちは、固定的で、整合的で、観念的な存在として人間を描いてきましたが、ヘーゲルの目に映ったのは、むしろ理性的でも何でもない伝統や慣習が蔓延している現実世界でした。しかしヘーゲルは、決して悲観視することなく、今この現実の状態は途上なのだと解しました。そこで彼が導入したのが、時間の経過と共に変異していく「歴史」の概念です。基本的に彼は、人間の本質は「精神」の自由であると考えました。他者から阻害されずに独立することができるという点で、精神は自由だと考えたのです。ただし人間はこの本質を「まだ」達成してはいません。そこで彼が引き合いに出したのが、「歴史」なのです。ヘーゲルは、歴史とは精神が自由を達成していく過程なのだと言います。

問 傍線部のようにヘーゲルが主張するのは歴史にはどのような性質があると考えられるからですか。

 

「~性質」と続くように文中から抜き出しなさい。

さあこんな問題です。早慶高校の入試問題でヘーゲルの思想はよく出題されます。少し触れておきましょう。

まずはルール①から。解析していきましょう。

歴史=精神が自由を達成していく過程 といっています。うーん。正直意味不明!

でもその前の文章にヒントがある(ルール②)。人間の本質=「精神の自由」←人間はまだ達成してない!って言ってるね。

つまりまだ達成していないものを達成することが歴史だ!ってことになる。

今回の例文は短すぎてルール③が使えないからとりあえずここまで。

あとはダイアローグをしていこう。今は達成していなくてもいつか達成できるんだよね。なんでだろう。

歴史は移り変わっていくものだから。達成した時、達成していなかった時のことはもう歴史になる。

こんなことが考えられたら答えはもう目の前だ。

時間の経過と共に変異していく 性質

になるよね。「性質」って言葉と「概念」って言葉を結びつけられたりするともっと簡単に解けるかも!

さあできたかな?まあこれに関してももものすけがそこそこ適当に考えた文章とそこそこ適当に考えた問題だからあんまり気にしなくていいです。いやあ問題作るって難しいですね。

余談ですが、なんでヘーゲルが早慶の入試でよく出るんでしょうか。やっぱり大人っぽい思考力が問われているんだろうね。今後授業で「思想」とかも触れていくことになるだろうからしっかりと周辺知識も固めていきましょう!もものすけも勉強を続けます。まあどんだけ勉強してもヘーゲルの思想は理解できない気もしますが…。

では次は整序問題だ!

整序問題へのアプローチ

整序問題へのアプローチ

①各文の冒頭に注目

②話題ごとに分類

③指示語・接続語には大注目

④文脈グループを複数作る

⑤話の運びに注意して順序付ける

⑥脱文の前後の文脈を確認

整序問題って簡単に言うと並び替え問題ね!英語でもよくあるやつだ!

じゃあこれもちょっとした問題を出してみよう。

次の5つの文章を並び替えてみてほしい。

まずは自力で考えてみよう!

1 このようなものは欧米諸国にはない。日本に来たある外人が、ハンバーガー用にとまるい形をしたパンを買って帰り、二つにわってみたら、なかからあんがでてきたのでびっくりしたという笑い話がある。

2 このような日本におけるパン食の歴史は、そのまま、主食と副食を区別する伝統的な食生活パターンがいかに根強いか、の証拠である。

3 戦中・戦後の食糧難はパンの地位を「おやつ」から主食へ格上げはしたしかし、食生活がいちおう安定しだすと、もういけない。

4 『国民生活白書』によっても、都市世帯ではもはやパンの消費は頭うち状態である。わずかに農村での消費増が見込まれるにすぎない。主食としてのパンは、ある程度までしか、米飯にかわることはできないのである。

5 パンは、日本では、はじめのうち「おやつ」として普及した。明治から戦前までがそうである。まるい形をしたパンのなかにあんやクリームやジャムをいれた、いわゆる菓子パンが店先をにぎわした。

まずはルール①にのっとって冒頭に下線をつけてみました。では話題ごとに分類してみよう。

1 このようなもの=中からあんがでてくるパン=あんぱん

2 このような=日本のパン食の歴史=主食と副食を区別する食生活パターン

3 食糧難がパンを「主食」へ格上げした。が、食糧難ではなくなるともういけない

4 パンの消費は伸びない。主食のパンはある程度までしか認められない。

5 パンは「おやつ」として普及。「菓子パン」が流行した。

あとは②〜⑤です。(雑!)

これだけみても「5」→「1」と「3」→「4」の流れは固そうだよね。さあパーツができてきた。

そして1~5の全てでパンの話をしているわけだから「2」は一連の話のまとめの文ってわかる=最後ってこと!さあもう答えは目前だ。問題は「5」が先か、「3」が先か。でも文章の流れとして「パンはおやつ」→「主食に格上げ」→「それでも米は越えられない」ってのが自然じゃない?ってことで答えは…

「5」→「1」→「3」→「4」→「2」 となります。いかがでしょうか。

では解法編のとりを飾るのは「記述」です。苦手な人も多いよね!

記述問題へのアプローチ

記述問題へのアプローチ

  • 題意の把握
  • 本文の精査
  • 表現の選別
  • 説明の推敲

以上!「はっ?」って感じですよね。最後の最後でサボったかもものすけ。という声が聞こえてくるようです。

でもね、記述ってそんなもんなんですよ。記述にもいろんなパターンがあるじゃないですか。

傍線部の記述、指示語の記述、空欄補充の記述…そんな時はまず、先ほどお伝えした問題別解法を思い出して下さい。

基本的には一緒です。そのうえで核となる文章を本文から抜き出すところからはじめないとダメです。

全てを自分で考えて書くなんてのは暴挙でしかありません。記述の採点基準から考えても理にかなってないんですよ。

まあそういうことであとはしっかりもものすけの過去問解説を聞いてね!

この冊子をもらってもう授業は聞かなくていいやって思ったそこのあなた!そんなにもものすけは甘くないですよ!

 

さいごに

ということで、時期をみて過去問解説をしていきたいと思っていますので、乞うご期待ください!

引き続きもものすけをよろしくお願いいたします!

 

では次の章は随筆分の読解です!

 

ではまた100年後〜!!!