【もものすけ国語塾】読解編⑥ 「論説文の具体的解法1 」
さて、【もものすけ国語塾】読解編 第六章「論説文の具体的解法1」です。
途中から来てくれた人は、一章からみてね!
では、論説文の読解方法を一通り説明し終わったところで、次は具体的な解法についてレクチャーしていきましょう。
そもそも論説文の設問って意外と限られているじゃないですか。どんなのが思いつきます?指示語?抜き出し?あんまり出てこないもんでしょ!時々こんな問題出るの?ってやつもありますが、ある程度は絞ることができるんですよ。ということで次のページからいくつか紹介していきましょう。
この章では、指示語問題、脱文挿入問題、空欄補充問題について、
アプローチの方法を伝えていきたいと思います。乞うご期待!
指示語問題へのアプローチ
ずばり指示語問題へのアプローチの方法は下記の通りです。
①指示語問題を含む一文を最後まで読む
②指示語の内容をダイアローグする
③直前の文章から指示内容を確定する
④指示語に確定した内容を代入して確認する
以上になります。ちょっと例をあげてみましょう。
遺伝子とは人間の体をつくる設計図に相当するものです。
ヒトには約3万個の遺伝子があると考えられています。人間の身体は、「細胞」という基本単位からなっています。この細胞の「核」と呼ばれる部分に「染色体」があり、この中の「DNA」が「遺伝子」として働いています。人間の身体は、これらの指令に基づいて維持されています。
問 傍線部「これら」の内容を端的に表している3文字の語を抜き出しなさい。
さあこの問題。みなさんには簡単すぎたでしょうか。まあそう言わずに解説にお付き合いください。まずはルール①に従って指示語を含む一文を見てみましょう。
人間の身体は、これらの指令に基づいて維持されています。
つまりこれら=人間の身体を維持するために指令を出すもの。と考えられます。ここからがダイアローグ(=自問自答型思考)です。
これらってどんな言葉が入ると思う?どうやら名詞が入りそうだよね。問題では三文字って指定されてるし。じゃあ指令を出すものってなんだ?脳?こころ?いやいやここではそんな話はしてはいない。では後ろの文章をみてみよう。
設計図・遺伝子・染色体、三文字の言葉って意外と多いぞ。どうしよう。でも大丈夫。しっかり文章を見てみよう。
人間の身体→細胞→核→染色体→DNA→遺伝子って言ってるね。遺伝子が働いているって言ってるから答えは遺伝子だ。
まあDNAでも正解だけど。あんま例題がよくなかったね。ごめん。ちゃんと最後に代入するのも忘れないでね。数学でいう確かめ算と一緒だ。
兎にも角にも①〜④の順番を守って解いていってあげることがとても重要になることをお忘れなく!
【☆重要☆】
指示語の問題は前に答えがある!と言われることが多いと思います。
結論から言うと、それは「嘘」です。
あくまで探す優先順位があくまで後ろにあるというだけです。
答えが指示語より後ろにあることもまあまああります。ただ、これも実はパターンです。
答えが指示語より後ろにある王道パターンを一つご紹介します。
それは「指示語×サンドイッチマン」です。
意地悪な問題作成者が大好きな作問パターンとなっています。
3段落 意見 ←ここに指示語!
4段落 具体例
5段落 意見
このパターンの場合、当然素直な受験生のみなさんは、3段落に設問となっている指示語があるので、
1〜3段落から答えを探します!
しかし、それではいつまでも答えは見つかりません。問題作成者の罠にまんまとはまってしまうわけです。
実は伊達(3段落)と同じ内容が富澤(5段落)に書かれているのです。
そう、サンドイッチマンの法則を逆手にとった巧みな罠なのです。
ということで、この場合は必ず、5段落も捜索対象に入れてあげてください。
ちなみにもものすけの場合、問題作成者の意図を汲んで、一番最初に5段落目を探しますね!
ということで、こういうパターンには細心の注意を払っていきましょう!
脱文挿入問題へのアプローチ
さあ次は脱文挿入問題だ。いってみよう。
脱文挿入問題へのアプローチ
①脱文の冒頭に注目(指示語・接続語には大注目)
②脱文の末尾に注目
③脱文内のキー(新出ワードなど)を探す
以上になります。今回はこの文章を挿入してみよう。
つまり、これは、宇宙は風船のようにだんだんとふくらんでいるということを意味しています。
さあみんなならこの文章をどこに挿入する?本文もないのに知るかー!って感じだよね。
でも実は十分にヒントが隠されています。まずは冒頭の接続語「つまり」。こいつは大ヒントだ。この「つまり」のあとはまとめを表す文章ってことだからね。桃レンジャー発見だ。
そしてさらに指示語「これ」の発見。これも大ヒントだね。文末にも「意味している」ってあるし、結局、この脱文の前には「宇宙は風船のようにだんだんとふくらんでいる」と考えられている理由があるわけだ。もうかなり答えに近づいたね。
ルール③の新出ワード探しに関しては今回はあんまり使えなそうだけどあえて言うなら「宇宙はふくらんでいる」ってところかなぁ。
では答えを発表します。
今からおよそ60年前に、アメリカのハッブルという博士が、銀河系のような星のグループどうしの距離が、だんだん大きくなり、おたがいがはなれていっていて、しかも地球から遠い星たちほど、はなれるスピードが速いということを発見しました。→ココ!
これが答えになるわけです。宇宙ってすごいね!
では脱文挿入問題におけるありがちなパターンを二つほど紹介します。
①脱文が「果」 ②脱文が「具体」
まずは①の説明から。脱文が今回の例のようになにかの「結果」になっている場合。そんな時は「因」の部分を本文から探してあげよう。脱文が「具体」になっている場合は「一般論」だったり「抽象」の部分を探してあげようね。ではここらへんにして次に行こう。
空欄補充問題へのアプローチ
空欄補充問題へのアプローチです。
- 空欄前後の文脈に注目!
- 本文表現とのバランスに注目!(抽象度を合わせる!)
- 日本語の自然さを確認
- 空欄を含む一文の言い換え表現を探す。
以上になります。では今回は簡単に具体例。
①は日本一のアイドルである。
さあ四角に当てはまる言葉を考えてみよう。
まずはルール①、空欄前後の文脈に注目。
残念ながら空欄の前に文章はない。だってめんどくさかったんだもん!ごめんね。でも後ろにはヒントがあるよ。
「日本一のアイドル」ってことだ。□=日本一のアイドル ってわかるよね。
ではルール②、□にはどれくらいの抽象度の言葉が入るかってことだ。
「握手会を開くアイドル」って答えと「AKB48」って答え、どっちが入りそう?後者っぽいよね。これがルール②です。
ではルール③、これは日本人としての感性の問題だ。□=「AKB48です。」って答えが入ったら気持ち悪くない?単語が入りそうだよ~ってことね。
ルール④に関してはこの具体例では実証できないから省略させてもらおう。
いつか過去問解説でやってみましょう!
では話を少し戻してルール①の話。
空欄前後の文脈に注目!って文単位でみればいいよってことじゃないんですよ。
例えば…
【対比構造】
AKB48の話
モーニング娘。の話
空欄を含む文章
【類比構造】
握手会の話
まゆゆの話
空欄を含む文章
と2通り用意しましたが、何を言いたいかと言うと、文章構造をしっかり読み取って欲しいのです。
しっかり段落の持つ意味を把握して、優先して探すべき段落の目星をつけてください。
これができると、全ての問題において有利に解き進めることができます。
これは嘘みたいな本当の話です!
さあここらで空欄補充問題とはお別れして次に行きましょう。
さいごに
少しこの章は長くなってしまいました。
次の章でも引き続き問題パターンごとのアプローチを説明していきます!
ではまた100年後〜!!!
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