【中学入試】早大学院を蹴って明大明治に進学した小6のお話②

こんにちは。

今日は前回のお話の続きです。

まずはA君という人物のおさらいから!

POINT!☆偏差値48→62のサクセスストーリー

☆お父さんお母さんの全力フォロー

☆誰もが応援したくなる、彼の全力投球スタイル

結果、第一志望の明大明治どころか、

早大学院の合格まで掴んできた、A君。

彼の勝因を私なりに分析してみます。

勝因1 A君の性格

A君はとにかく負けず嫌いでした。

幼い頃から野球をやってきたこともあり、勝負にこだわることが習慣化されていました。

受験において、勝負にこだわる、というのは非常に重要なことなのかもしれません。

 

☆負けず嫌いエピソード①

宿題やってこないと泣く。

確認テストの点数が取れないと泣く。

自習室で友達の話しているところを私に見られ、まだ何にも言ってないのに泣く。

模試の結果が悪いともちろん泣く。

と、こんな感じでとにかく泣き虫な彼でした。

ただ、泣いてしまうとうつむいてしまうのが小学生あるあるですが、

彼は私の目をまっすぐ見て、大粒の涙を流すのです。

正直、大人の私から見ても彼の泣き方には凄みを感じました。

 

☆負けず嫌いエピソード2

小6になって徐々に算数ができるようになってきたA君。

気づけば偏差値65近い数字を模試で取ってくることも出てくるようになりました。

本人的にもかなり自信が付いてきたようで、校舎のエースのK君を勝手にライバル視するようになりました。

「とにかく算数だけはK君に負けない」というのを心に決め、より一生懸命勉強に励むようになりました。

ただ、あとから聞いてみるとこれはお父様がA君にけしかけていたようで、

結果としてはこれが大正解だったように思えます。

親御さんが小さな目標を示してあげるというのは、非常に有効です。

 

☆負けず嫌いエピソード3

全640問の算数テキストを、

1週間で終わらせてきました。

確かに私は自分のペースで1ヶ月以内に終わらせるように指示を出していたので、

決してルールを破ったわけではないのですが、

流石にこれは私も「算数ばかりやりすぎではないか」と注意をしました。

しかし、彼はドヤ顔で、「僕のこの1週間の学習時間はこれです。」

とおもむろにかばんから一枚の紙を取り出したのです。

確かに他の科目もしっかり勉強できていました。

私の反応まで先回りしていたわけですね。これにはやられました。

こういう課題の出し方をしてあげるとより燃えるタイプの子もいる、というわけですね。

 

と、3つの負けず嫌いエピソードを挙げましたが、

実はこんなのは氷山の一角で、彼の負けず嫌いエピソードはまだまだあります。

負けず嫌いは確かに受験という戦いにおいて非常に重要な要素です。

しかし一方で、この手のタイプは負けず嫌い故、結果が出ない時にポッキリ折れてしまうことがあります。

しかしそれでも彼が最後まで折れずに受験を戦い抜くことができたのは、

間違いなく、ご両親のおかげです。

次の章ではご両親の受験との向き合い方について、述べていきたいと思います。

 

勝因2 ご両親の力

お父様、お母様の力。

これを無くして、A君のサクセスストーリーは語れません。

基本的に、お父さんが怒り、お母さんが慰める、というのが、

言葉が正しいかはわかりませんが、A君の家庭の鉄板パターンだったようです。

A君の話だと、テキスト一式をお父さんに捨てられそうになったこともあるそうです。

(A君が何をしでかしたかは教えてもらえませんでした。笑)

普通なら反抗してもおかしくない年頃ではありますが、

とにかくお父さんが献身的に受験のサポートをしてくださっていたことをA君もよくわかっていたので、

すんなりとお父さんのお説教も受け入れることができたのでしょう。

 

もちろんA君の家庭に密着していたわけではないので、全てを知っているわけではありませんが、

把握している限りのA君のお父さんがしていた受験のサポートは以下の通りです。

 

①A君の宿題の管理(前日夜に宿題の進捗状況のチェック)

②確認テストの点数の確認→その日のうちに解き直し

③模試の結果分析

④短期目標、中期目標の選定、達成状況の確認

⑤遠征(模試、他校舎での特別授業等)の送り迎え

⑥たまのストレス発散(ジョギングやキャッチボールなど)

どれも受験生を持つ親御さんに実践してほしいものばかりです。

特に確認テストの点数の確認は非常に重要です。

おそらくどこの塾でも確認テストというのは日常的に行われています。

授業の尺の都合上、全ての問題の解説というのは難しく、

最大公約数的な解説が行われている可能性が高いです。

したがって、やってそのままになっていることも多いかと思います。

もちろん授業後に再テストや復習ノート作成の指示が出ている可能性も大きいですが、

とにかくその日のうちに解き直しをするというのが重要です。

※最良の復習方法やテストの解き直し方法に関してはおって記事にしていこうと思います。

 

勝因3 最後の底力

色々言いましたが、受験は最後はメンタルの勝負です。

彼はメンタルが強かった。

ただ、彼がメンタルが強かったのにはれっきとした理由があります。

受験はある種自分との戦いです。

自分の夢を掴むため、自分の将来のために投資をする、という考え方があります。

しかしながら小学生にはなかなか理解し難い考えでしょう。

もっとも、理解できたところで結局甘さが出てしまい、ついついサボってしまう、というのがあるあるです。

でも、彼は違いました。

「自分のため」ではなく「誰かのため」だからこそ最後まで頑張れたのです。

自分以上に頑張ってくれる、家族や先生たちがいたから、

「誰かのために」頑張れたのです。

これこそが、彼の最大の勝因であったと考えています。

自分の子どもが勉強しない、やる気がない、と嘆いているお父様、お母様。

子どものために、子どもより頑張ってみましょう。

色々やってあげてください。

きっと子どもも応えてくれると思います。

 

僕も講師をしていて、一人一人の苦手に合わせてプリントや教材を作成したり、

様々な補習を行ったり、とにかく子どものために頑張っている感を出すことがあります。

徹夜で教材作成をしたと辛そうにアピールをすることもあります笑

これには賛否両論あるかと思いますが、

往々にしてそんな僕の姿をみて、生徒たちも頑張ってくれるものです。

 

「自分のために頑張ってくれている誰かがいるから、

自分も頑張らなくてはいけない。」

そう思うのは大人も子どもも同じです。

最後に

 

そうして、明大明治と早大学院の2つの金星をとってきたA君には後日談があります。

受験終了後に彼が塾に挨拶に来てくれました。

私としては当然早大学院に進学するものと思っていたのですが、

彼はまだ迷っていました。

お父さんも迷っていました。

「僕としては(自分の母校でもある)明大明治に進学してほしいが、

子どもの将来のことも考えると早大学院に行った方がいいことはわかっている。」

お父さんの気持ちは痛いほどわかります。

贅沢な悩みですね。

だいたい1時間くらい3人で話をして、最終的に彼は明大明治に進学することを決めました。

私は面談開始5分でこの結論が見えていた気がします笑

まあ決心のお手伝いをしたような感じです。

 

さて、そんな彼も今や高3です。

どうやら甲子園には出ることはなかったようですが、

近い将来、六大学野球で彼の名前が神宮球場に響き渡る日がくるかもしれません。

心待ちにしていたいと思います。

 

ではまた100年後〜!